たじまのしぜん

ノビタキ

過去にもここに何度か登場した野鳥ですが、この時期の鳥の話題に欠かせないのがノビタキです。スズメより小さいヒタキ科の鳥で、中国の南東海岸沿いで越冬した群れが、いま一斉に北の繁殖地めざして移動中です。
シベリアや、日本では中部以北、特に北海道が繁殖地としてよく知られています。但馬地域ではノビタキが繁殖地と越冬地の間を行き来する途中、一時的に観察できる「旅鳥」と呼ばれる渡り鳥グループです。但馬では4月と10月に2週間ほど見られます。

春の渡りで見るノビタキのオスは、この写真のとおり黒頭巾の羽根模様です。繁殖期はこのような目立つ羽根に代わってメスを呼びます。繁殖を終えた秋の渡りでは、オスはメスとほとんど同じ羽根模様になっています。
田んぼの水路沿いでよく見かけ、羽虫や毛虫などを食べて栄養補給し、次の中継地へ飛び去ります。

1羽のノビタキの右脚に、アルミ製の標識リングが付いているのを見つけました。小さなリングには、標識調査をした場所や時期の情報が刻印されています。今回の観察では、リングの刻印が明瞭に判別できる距離まで鳥が近寄ってくれませんでした。写真を拡大してみると、どうやら韓国の国名が刻印されているようでした。日本で鳥類の標識調査を実施している山階鳥類研究所に今回の写真を添えて問い合わせ中です。
韓国でリングが付けられたのが昨年の秋だとして、このノビタキが中国の越冬地で過ごしたあと、日本列島を北に向かって旅を続けているのでしょう。小さなリングは鳥の移動経路を教えてくれると共に、彼らの旅物語を私たちに語ってくれます。
写真・文 コウノトリ市民研究所 高橋 信

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